北海道自然観察協議会は自然観察指導員の集まりです。

北海道自然観察協議会

 

2008年8月の行事一覧

2008年度全道研修会忍路海岸

開催日 2008年08月23日(土) ~8月24日(日)
観察地 小樽市 忍路海岸
テーマ 海産動植物や海岸地形・地質を題材にした自然観察会の実施に向けて
2日間にわたり海産動植物や海岸地形・地質に関する研修を深め、教材化を検討するとともに、歴史ある臨海実験所で寝食を共にして、交流を深め、夏の小樽・忍路の海で楽しい研修をすることができました。

1日目

(1)湾内の地層を海上から観察し、さらに湾外に出て兜岩から竜ヶ崎、猫泊方面までの地層をつぶさに観察。

水冷破砕岩と砂岩の堆積層、枕状溶岩、溶岩が地層を突き抜けて行った火道跡(フィーダーダイク)など。

(2)実験室で棘皮動物(ウニ、ヒトデ、ナマコ、カシパン)の観察。

形態の比較・類似点の確認、ヒトデの起きあがりの観察、ウニの解剖・人工授精・初期発生の観察など盛りだくさんでした。

(3)国土地理院忍路検潮所の見学。

信太和郎氏(検潮所看守)に、忍路湾および臨海実験所の歴史について興味深く説明していただきました。

(4)漁業者との交流会。

川本孝一氏(小樽市漁協忍路地区磯部会磯班長)に、忍路湾の環境変化に伴う生態系の変化や漁業者が抱える現実的な問題などをわかりやすく説明していただきました。

(5)海藻の観察と海藻標本の作製。

横山武彦氏(当協議会副会長)が、陸上植物と海藻の違いをわかりやすく説明しました。

2日目

(1)中多章文氏(道立中央水産試験場企画課長)を講師に招いて講演会。

演題は「北海道西岸の海洋環境について」。

北海道沿岸を巡る3つの大きな海流を、何十年という単位で調査しデータを積み重ねてゆくことの大切さ、基礎研究に対する軽視と目先の成果主義の弊害も考えさせられる講演内容でした。

(2)磯の生物・生態系の観察。

時が経つのも忘れ、カニをつかまえたり、ヤドカリの宿換えをじっくり観察したりしました。

海の観察会の醍醐味を十分に味わえました。

枕状溶岩が見えます。
海底火山の溶岩が水中に噴出したときにできます。

海底火山跡の見学
湾内は通行不可で船からの観察です。

兜岩。

中央部にフィーダーダイクが貫いています。
マグマが海底に噴出してきたときの通路とその出口です。

棘皮動物6種
ウニ2種、ヒトデ2種、ナマコ・・・・・

ウニの解剖に挑戦
受精実験も行いました。

海藻の組織はどうなっているでしょう
切片を作り、顕微鏡で見てみます。

北海道西岸の海洋環境について
何十年単位のデータの積み重ねが重要です。

桃内海岸で採集
特に巻き貝の殻を探しています。

はさみでからの寸法を測っているよ
ヤドカリの宿換えを観察してます。

揃って記念写真
2日間お世話になった臨海試験場の前です。
2008年8月23日