2023年5月の行事一覧
「花川南防風林」観察会
開催日 | 2023年05月20日(土) |
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観察地 | 石狩市 花川南防風林 |
テーマ | 6000年前の海岸線「紅葉山砂丘」の痕跡 を残す花川南防風林。石狩低地帯の原生 林の面影を、春植物と共にたどります |
参加者 一般11名、指導員4名 天候 晴れ 現在の石狩海岸から5~6㎞内陸に「紅葉山砂丘」の痕跡が、今でも点在しています。約6000年前の縄文海進とそれに続く海退によって、海が陸地化していく中で形づくられた、1~2mの起伏の「花畔砂堤列」も、この花川南防風林の地形に残されています。 明治26年、原野を開拓した時に、風を防ぐために「風防林」として伐採せずに残され、現在は国有保安林に指定されている、花川南防風林です。 時に、ドロノキやヤマナラシなどの綿毛が舞う中、森に入っていくと、クルマバソウが最盛期とばかりに咲いていました。残念なことに、オオタチツボスミレの花は終わり、オオバナノエンレイソウは林縁にかろうじて残っているだけでした。 ヤチダモの葉が開くのが、森の木々のなかではひと際遅いため、森の中に光が届きます(①)。 クロミサンザシ(バラ科)の開花直後だったので、花の香りを堪能してもらいました。「魚の干物」「魚の腐ったにおい」「嫌な臭いではない」「おいしそう」等々の感想。ハエ類が好みそうなにおいで、花の周りに多くの虫たちも集まっていました(②)。 チリメンドロ(ニオイドロ)の葉を触ると、べたべたして、サロメチールのようなにおいでした。 カシワモドキ(カシワとミズナラの雑種)は、この森に数本あります。葉のふちの切れ込み(鋸歯)が波打っている様子と、落ちた実の殻斗(去年のものか)にカシワの特徴が出ています。 エゾノウワミズザクラの花は終わっていました(③)。エゾノウワミズザクラとクロミサンザシは、氷河期から生き残り、現在にその姿をとどめている北方系の希少樹種13種の中に入っています(森林総合研究所)。そのうちの2種が花川南防風林には、点在しています。 洋上風力発電の高圧送電管の埋設工事が防風林の周辺で行われ、来年からは実際に電力が通される中で、また、防風林の林床にササが多くなり、地下水位の低下と植生の変化が心配される中、これから先もずっと楽しい観察会が続けられることを願っています。 報告者 石岡真子 |
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①ヤチダモの展葉は遅い |
②クロミサンザシ |
③ニオイドロの前で |
④エゾノウワミズザクラ |
2023年5月20日